手土産を渡すときのマナーって意外とわからないですよね。
迷ってしまうのが外食の時。
レストランなどのお店では、会食の前に渡すのか後に渡すのか、どちらなのでしょうか。
細かいことですが、どのタイミングで渡せばよいのか、あらかじめ確認しておくと安心ですね。
渡すときの言い方や和室でのマナーもお伝えしていきますね。
手土産を渡すタイミングって外食のときはどうすればいい?
親戚同士の会食や、顔合わせなど初対面の方と一緒に外食するのはとても緊張しますよね。
彼氏や彼女の親や結婚でご両親に会うなどは、人生のとても大切な場面です。
お互いに緊張してしまうものですが、手土産はコミュニケーションの潤滑油になるものですから、渡すタイミングとしては食事の前が基本ですね。
お仕事で営業をしている人は接待で外食のときに取引先に手土産を渡すことがありますよね。ビジネスシーンでは会食の後に手土産を上司から渡すことが多いと思います。
このように、手土産を渡すタイミングというのはケースバイケースで、絶対的なマナーがあるわけではないのです。
あくまでも相手が受け取りやすい場面を選ぶ気遣いが大切です。
とは言っても、緊張しているなかで冷静に見極めるのもなかなか難しいことがありますから、色々な場面を想定してみましょう。
個室での外食
なかにはお店の中で他店の菓子折りを渡したりするのは気が引けるという人もいるのではないでしょうか。
でも個室なら周りの目を気にせずにお渡しすることができますよね。
個室以外での外食
紙袋から品物を出して渡すのが基本ですが、お店の中で堂々とそう言った振る舞いはしにくかったりしますよね。
もし個室ではなかった場合に、どうしてもお店や他のお客さんの目が気になってしまうという人は、お店を出た後の帰りぎわにお渡ししてもよいでしょう。
ですが、会ったときから菓子折りらしきものを持参しているのは相手の方からもわかるので、会っている間中自分の手元に置いておくのもなんとなくおかしなものだと感じる人もいるでしょう。
また、手土産を持っているのにいつになったら渡してくるんだろうと思う人も中にはいます。
ケースバイケースなのですが、相手の方が手土産を気にしているそぶりがあるようなら、先に渡してもよいと思います。
場の状況に合わせて、紙袋のままお渡しすることもありでしょう。そのときは「紙袋のまま失礼します」と一言添えると言いですね。
会っていきなり渡すのはNG
帰り際だと忘れてしまいそうだから、会ってすぐに渡してしまおうなんて考えていませんか?
それだと自分本位で相手のことをちっとも考えていませんよね。会ってすぐは受け取りにくいものですよ。
お互いに挨拶をし終えて一息ついたタイミングでお渡しするのがベストです。
もし挨拶を終えた後に話が盛り上がるようだったら、ひとしきり話をして落ち着いたタイミングでお渡ししましょう。
双方が渡し合うときは同じタイミングで
結婚で両家の顔合わせのときは、食事が始まる前にお互いに手土産を交換し合うようなかたちになることが多いです。ですから手土産を持って行くかどうかや予算をあらかじめ相談しておくのがベストです。
もし何も決めておかないと、彼側からは手土産があったのに、自分の方は何も用意してなかった!なんてことが起きてしまいます。
会食の初めからそんなことが起きると気まずいですよね。もし片方しか手土産を持参していないことに気付いた場合は、食事を終えた帰り際にさりげなく渡したほうがスマートかもしれません。
また、自分の親とも相談しておかないと、あなたが手土産を出して母親も手土産を出して、手土産を2つも相手に渡してしまったりと、ちぐはぐなことが起きてしまう可能性もあります。
2つも持ち帰るのは荷物になり相手の負担になってしまいます。顔合わせの手土産は、双方で事前に相談しておいた方がスムーズです。
いかがでしょうか。手土産を渡すタイミングは場面に合わせて相手が受け取りやすいタイミングをはかることが相手への気遣いにもなります。
食事の前でも後でもどちらでも「相手にとっていちばんよい」かどうかを考えてみてくださいね。
手土産の渡し方 言い方はどうすればいい?
手土産をお渡しするとき、つい言ってしまいがちな言葉が「つまらないものですが」ですよね。
実はこの言葉、言うのも言われるのも好まないという意見が多くあります。
本来は謙遜して遣う言葉なのですが、「つまらないものなんていらない」とか「そんなへりくだり方をする必要はない」と思う人もいるようです。
ですので、誰が聞いても気持ちよく伝わる言葉を選ぶことをおすすめします。
手土産は会話の糸口にもなりますので、自分の地元の名産品や美味しい有名店のお菓子をお渡しして話題作りをしたり、場を和ませることもできます。
「わたしの地元のお菓子で、美味しいと評判なので」
「今の季節にしかないものなので、ぜひ召し上がっていただきたくて」
「○○がお好きと聞いたので、よろしければ」
「お口に合うとよいのですが」
「ほんの気持ちですが」
「心ばかりですが」
「皆さまでお召し上がりください」
ポイントは相手に喜んでもらいたい気持ちを素直にお伝えすることです。
きっと気持ちよく受け取っていただけますよ。
そして手土産を渡すとき、もう一つ気になってしまうのが紙袋の扱いではないでしょうか。
手土産の紙袋はどうすればいいのか?
よく、マナーの本を見たりすると手土産は紙袋から出して渡すと書かれています。
基本的に、紙袋から出して渡すのは、自宅にお邪魔した時などのマナーのことです。
紙袋は風呂敷と同じようなもので、手土産を汚さずに持ち運ぶためのもの。
ですから風呂敷包みのまま品物を相手に渡すことをしないのと同じように、紙袋のまま渡すのは失礼だとされているんです。
そして風呂敷は持って帰るのと同じように、紙袋は持ち帰るのが基本とされています。
でも、それを真に受けてレストランで同じことをしたらどうでしょうか。
外食のときは、当然のことながらお店から自宅まで持って帰る必要がありますよね。
紙袋なしで中身だけ渡されて、紙袋は相手が持って帰ってしまったら?
気遣いどころかなんだか意地悪されているような気にさえなってきます。
マナーとは相手を思いやる立ち居振る舞いのことです。杓子定規に考えると、かえって非常識な人になってしまうので気を付けましょう。
自宅にお邪魔した際も、玄関先でサッとお渡しするときは紙袋のままお渡ししてもかまいませんし、ビジネスシーンで取引先が車に乗り込むときに手土産をお渡しする際も、紙袋に入れたままの方がスムーズです。
同じように会食の際も、食事を終えてお店を出た時にお渡しするのであれば、紙袋のまま受け取ってもらったほうが相手にとってもありがたいですよね。
このとき「紙袋のままで失礼します」と一言添えて、相手が持ちやすいように紙袋の底と手提げ部分の根元に手を添えて渡すと好印象になります。
ではこんな場合はどうでしょうか?
和室で相手と対面し、手土産を渡す場合、紙袋の扱いはどうすればいいのでしょう。
手土産の渡し方 和室では?
料亭や和食の個室で会食をすることもあると思います。
和室の個室では相手と向き合って座りますので、立ち居振る舞いには特に注意したいですよね。
挨拶を済ませていざ手土産を渡す段となったら、まず自分の横サイドなど相手から見えない位置で風呂敷や紙袋から品物を取り出します。そしてこのとき風呂敷や紙袋をたたみます。
品物を自分の正面に置いてから、次に相手から見て正面を向くように品物の方向を変えます。90度、90度で2回回転させるときれいに見えます。
それから言葉を添えて両手で品物を相手の方に手渡してください。
さて、たたんだ紙袋をどうしたらよいでしょうか。
当然、相手の方は品物を持ち帰らなければならないわけですので、「よろしければお使いください」という言葉を添えて紙袋もお渡ししましょう。
もしお相手が紙袋がなくても支障がなさそうなら、紙袋は自分で持ち帰ります。
デパートや有名なお菓子屋さんなどで買うと、持ち運び用の紙袋とお渡し用の紙袋の2つをくれることがありますよね。
その際は、お渡し用の紙袋をお相手に差し上げ、持ち運び用の紙袋を持ち帰るようにするとよいでしょう。
紙袋が2つあったほうがいいのかどうかは、マナーというよりはお店のサービスなので、持ち運び用の紙袋とお渡し用の紙袋の2つを用意してないからと言ってマナー違反にはなりません。
最近はエコの影響もあって紙袋を必ずしもくれるわけではなく、お渡し用が必要かどうか確認してくるお店も増えているようです。
まとめ
外食での手土産を渡すタイミングについてお伝えしました。
基本的には、挨拶を終えた後に紙袋から出して手渡しするのがマナーとされています。
手順や作法通りにできる場面ではしっかりとマナーを踏襲することで好印象にみられます。
ですが、ケースバイケースで臨機応変な対応をしたほうが良い場合もあります。
そこで「こうしなければならない」とか「恥をかきたくない」と思うと、どう振舞っていいかわからなくなってしまうものです。
そんなときは、どうしたら相手の方に気持ちよく過ごしてもらえるかを第一に考えてみるといいですよ。